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慶應義塾大学東アジア研究所 現代中国研究センター

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研究プロジェクト

2012年4月~2017年3月

研究テーマ『移行期における政治と外交・安全保障』

現代中国研究センターにおいては、中国政治がいかなる方向への変化の芽を内包しているか、現実にいかなる方向へ発展しつつあるか、そしてこの新しい大国における政治的変化が世界に与える影響を検討している。

組織的には、主として内政と外交をそれぞれ扱う二つの大きな研究グループに分かれている。すなわち、「移行期の党と国家」を研究テーマに据えたグループ(第一研究グループ)、および「移行期の外交と安全保障――パワーの生成と使用」を研究テーマとするグループ(第二研究グループ)である。

第一研究グループの研究上の焦点は、中国の政治体制がどのように維持されているのか、あるいは変質へと向かっているかという点にあり、具体的には以下のような問題を検討したいと考えている。愛国主義キャンペーンは、多様化する利益と価値を前に、国民統合の有力な手段であり続けるのだろうか。党は増大する社会団体を、取り込みと監視を通じて統制し続けることが可能だろうか。農民と労働者の騒擾が拡がりをみせるなか、民主主義的な利益表出・集約のシステムを構築することなしに、共産党は統治を維持できるのだろうか。携帯電話やインターネットなどの新しい通信手段の急速な普及にもかかわらず、党は社会から反対派の結集軸を奪い続けることが可能だろうか。

第二研究グループの主たる研究対象は、現代中国が国益追求と安全保障のために、対外的に用いる手段についてである。いうまでもなく、用いるべき手段は多種多様であり、それを中国は「総合国力」と表現している。本グループはそのなかでも、外交的手段と軍事力に着目する。それは、中国がパワーを信奉し、それを巧みに行使する国家であり、そのことによって、これまでの中国の外交および安全保障戦略が形作られ、これからも展開していくと考えられるからである。中国がパワーをどのように生成し、またどのように増大しつつあるパワーを使用しているかを分析することで、中国の外交・安全保障政策の実態と国際社会における中国の影響力行使の特徴を明らかにしたい。

第一研究グループ:「移行期の党と国家」
第二研究グループ:「移行期の外交と安全保障――パワーの生成と使用」

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